◆REX CAVALIER 王たる騎士
SEGMENT:1-LEAD

 Rexの名が示す通り、PRAYERの主導格に位置すると思われる個体だが
反して率先し前に姿を現す傾向がCAVALIERと名が付く所以である。
尤も、遠方での活動は機動力に優れる仮の姿(PRAYERに主体と呼べる概念があるかは謎だが)空戦フレームであり
カーディナルシャフトには人の姿を色濃く残した本体(陸戦主体フレーム)を残している。
人の形をしているのは、それに対する執着 ――未練か
或いはかつて人であった事の証明か、それは定かではない。
現状で確認されているPRAYERの内、同一の識別符号で異なる複数の姿を持つ唯一の存在。


◆QUIET MINSTREL 鳴かぬ鳥 SEGMENT:1-BEHIND  比較的護りの薄い外れの地域に伏せられている大型PRAYER。 REX CAVALIERに接近しようとする者を低高度域からの遠距離射撃で妨害する。 REX CAVALIERとの交戦に赴くEXECUTORの活動を支援すべく、 早期にこれを叩いておく必要があるだろう。
◆SCARLET QUEEN ふしだらな女王 SEGMENT:2-LEAD  環状に立ち並ぶ廃墟群の中に鎮座する巨大な個体。 その身体を構成するパーツを破壊された際、破損箇所に応じ 全く異なる反撃形態で周辺をその暴威の餌食とする。 そのあまりに過敏でヒステリックなまでの激しい反応からこの名で呼ばれるようになった。 センサーと思われる羽状のユニットを全壊させた場合には、形振り構わない実体弾(ミサイル)の応酬を、 強力な「微かな生物」励起ビームを放つ前部二本のアームを全壊させた場合は センサー部から鋭く高密度の針状弾を放ち、これはサプレッションレディアスの影響を殆ど受けない。 かつて市街区であった地域に常駐(固執?)する種のPRAYERの中では、最も厄介な相手に分類されるだろう。
◆GLORIOUS SYMBOL 栄光の徴 SEGMENT:2-BEHIND  旧市街区から湾岸方面〜洋上にかけて分布する敵勢力の主導格と思われる。 動作の切り替えが緩慢で、その攻撃自体は熾烈という程のものではないが 上から覆い被さるような相対位置を維持したまま戦闘行為に及ぶ傾向があり またその身体も大型であるため、対峙する者は実質以上の精神的プレッシャーを受けるだろう。 本隊の行動に支障を来さぬ様、これの指揮する洋上の敵勢力を殺いでおく必要がある。
◆SUNKEN BISHOP 水底の司祭 SEGMENT:3-BEHIND  カーディナルシャフトを取り巻く濃い雲の中に身を置く 巨大な鋏状の腕を持ったPRAYERの一体。全長は非常に長い。 多くのPRAYERを擁する空母のような役割らしく、さながら水中に沈む生け簀である。 侵入者による損害が大きくなると、その長い腕の大部分をパージする。 そして残された部分で侵入者を抱え込み、全天全地からの砲火を加え排除する。
◆RUSTED DRAGON 錆付いた竜 SEGMENT:4  巨大書庫PERPETUALCALENDARへと続く地下通路を巡回・警護行動を行うPRAYER。 Rust・Dragon共に旧きものを意味しているが、 特にDragonは老いてなお衰えぬ偉人を指す場合と同じく、尊称としての意味合いが強い。 が、「錆付いた竜」というニュアンスは昔日の王者・堕ちたる英雄をも意味する為、 命名にあたってそのEXECUTORにどのような感情があったのかは計り得ない。  尾の様に垂れ下がってるのは慣性制御装置で、 これによりある程度無理な急加速や急停止・姿勢保持が可能となっている。 一部のPRAYERの中にはこのような大仰な外部ユニットを有せずとも 概ね同等の運動性能を持つものが存在するが、 RUSTED DRAGONはそれらの始祖に当たるものと思われる。  また、既に弾として放った魂に対し接触を要さずに干渉し、その速度や軌道に影響を及ぼす能力を有する。 PRAYERがこのような「場」を作る例は他にも多く見られるが、多数の編隊が連携して紡ぎ出す事が殆どで 大型とは言えども、ただ一機のPRAYERが作り出すという事は特殊な事例と言える。  翼が破壊された場合、内部に篭っている魂や小型PRAYER(クラムボン)が多数噴出する事例が確認されている。 しかし、形成前の不安定な状態で外部に吐き出されるため、いずれも通常の攻撃手段で破壊可能である。  両翼を潰されても円盤状の小型PRAYER(クラムボン)を多数呼び出し、 それを従えEXECUTORの行く手を阻む。
◆PERPETUAL CALENDAR 永久(とこしえ)の暦 SEGMENT:5  PRAYERの作りあげた巨大書庫。全てのPRAYERとその遺志を記憶する。 graveyardから失われた英霊のうち数体がこれに同調し、「収録」されている事が確認されている。 記録に基き、破壊されたPRAYERの修復を行う。 主体は実像部分には無いらしく、自己が全損したとしても長期の時間経過により再生する。  侵入者に対しては、記録の中より旧弊のPRAYER等を「再生」して対抗する。 また、自らも幾つかの自衛シーケンスを持つ。  その姿・機能は彼等が護るカーディナルシャフトの中枢の模写/偶像(うつし)でもあり、 まさしくそれに準ずる力を発揮する。その姿が時を刻む時計であるとするなら、 偶像とされた側―― 彼等の崇める者は、時を導く基準である月や太陽のような存在であるのだろうか。
◆APOSTLE OF THE SEED 種の使徒 SEGMENT:6  人型の四肢と蝶の中間のような姿を持つ。 青と赤の同型機体が二機対となり、連携しつつ侵入者を迎え討つ。 魂を凝縮し高密度に情報/エネルギーを殻にじ込めた 《サクラメント》と呼ばれる特異な的弾を多く用いる。  この二体は、我等が《鍵》と呼ぶ物体の側に常に寄り添う。 《鍵》は中枢へと続く一方通行の道を開く接続子であり、 実質《種の使徒》は門番と呼ぶべきものだ。 あるいは主体は《鍵》にあり、《種の使徒》は 実行部的端末に過ぎないとの見方もある。  強力な固有の攻撃を幾つも有するが、持続時間はそう長くはない。 だが、交互に入れ替わり立ち代り攻撃と離脱を繰り返す為に 解りやすく纏まった隙などはそう多くは発生しない。 こちらが攻める余地は、そのまま相手の攻める余地と言える。 また、平常時は後光を背負い、時に生半可な攻撃を寄せ付けない程の硬さを誇るが、 後光が晴れる瞬間、その防御能力は著しく落ちている。 この目標について大きな隙と呼ぶべき箇所が有るとするなら、その点になるだろう。  お互いの損傷が大きくなると包囲陣形に移行し、その後 より損傷の大きい方が残された方を援護する為に、自滅覚悟の最終攻撃を試みる。
◆REX CAVALIER 王たる騎士 SEGMENT:7  人の姿を色濃く残したREX CAVALIERの本体。 四本の腕・二本の槍を持ち、自己の各部位に対する限定的な復元能力を有する。 これは稼働時間にこそ難はあるものの、《永久の暦》と同質で、 規模こそ小さいものの復元能力自体はそれを凌ぐのものと思われる。  本来想定されたと思しき運用状況ではないであろう 飛行状態での戦闘故に、その稼働可能時間は短かいが 閉所で待ち構える為に難敵となるだろう。 あるいは、元より其処で決着を着ける心算だったのか…… それも推測の域を出ず、もはやその意図を知る術はない。  ただ、その身から繰り出される攻撃は苛烈と呼ぶより、むしろ そこに至る者を試すかのように静かで、厳かとすら思える。
SEGMENT:8  PRAYER達が護り、侍り、我々から遠ざけてきたもの。 我々が棄て、置き去りにしてしまったもの。 CARDINALSHAFTの中枢で、それは悠久の微睡に眼を閉じる。  その炉に再び火が入る時は、未だ来たらず。