HELLSINKER… 世界が別たれた瞑く、そして輝ける時代の遺物。 未だ眠ったままの物も数多く、それは夢から醒めぬ者を蠱惑する。 いずれも混迷の中で造られた希望であり、無論今になって発見されるからには、大概は故あってこそ放逐された物である。 閉塞された世界を打ち破るために、或いは拠り所のない地上で自らを守るために。 その渇望と妄執が生み出した、過剰なまでの願望を具体した極致。 「夢 ――一種の熱病―― が生み出した、最も性質の悪い現実」 数多くのそれと相対した男は、それらをそう呼んだ。
「幽かな生物」… 空気中、水中問わず広く地上に蔓延する、微小でエネルギーを媒介する粒子。ウィスプ。人魂菌。 時に意図や目的があるかのような振る舞いを見せる事からこう呼ばれる。 的の放つ弾、ビーム、SPIRITS、イコン、EXECUTORの攻撃、飛行等の殆どは、 方向性を与えられた「幽かな生物」の群れによって成り立っている。 ただそこにある限りは中立で、人の目にその姿を現すことはない。 資質と意思あるものの下に集い、隷従し、その勢力に所属するかのように振舞い、敵味方の概念を顕わにする。 それは時に「幽かな生物」を集めるものが持つ方向性、志向をそのまま拡大する衣となる。 即ち「幽かな生物」とは、目に見えない外骨格、物言わず主に仕える軍勢、盤上に散らばる無数の駒であり、 その振る舞いはそのまま所有者の欲望、願望、執念を象ると言える。
EXECUTOR… 遺言執行者の意。詳細は明らかになってはいないが、この舞台において大きな不穏要素となる存在を調査・監視している組織に属する者達らしい。 ほぼ睡眠を必要とせず、様々な異能の力を発揮するその面々は「人でなし」と揶揄され、真っ当な人間ではないとされる。 この時代で正体不明な存在に対しては、しばしば「者」や「物」ではなく「もの」と表記されるのもその流れの一つである。 社会で生きられないもの、生きることを許されないもの、 贖罪の機会を与えられたもの、自ら贖罪を望んだもの、 因縁に突き動かされるもの、因縁と共に歩むもの、 体系付けられた根拠に寄らず、「やりたいからそうする」「けだもの」。 彼等の出自を取り巻く様々なものを総括した呼び名が「人でなし」である。 言ってみれば、彼ら自身一人一人が小規模ながらこの世の不安要素と呼べるものだが、それに秩序を与える―― 共通した意識というベクトルでおおまかに束ね、より大きな不安要素にぶつける事で意義を持たせているのかも知れない。
GRAVEYARD… EXECUTORを束ねる組織の名らしい。 創立から3世紀弱と言われているが起源は確かではない。 世界広くに根を持つ結社組織でありながら本部と言う概念は(少なくとも今は)無く、幾つかの支部がリゾームの様に散らばるだけである。 そのような形態でありながらも血族めいた統率及び調和に足るだけの強い相互的な共通意識/統一意思が有るらしいが、詳細を伺うことはできない。 各地区の支部は分家・氏族のような幾つかの派閥の様相を呈しており、基本的に協力関係にあるものの、各々に対しての対立意識が存在する。 幾つかの親密な例外を除き、派閥間の対立意識は折に触れ小規模な衝突を生んでいる。 例え個人間での良好な関係が複数見られても、支部という単位の集団となると途端にそうではなくなるというアクの強さが見られる。 活動内容は時に熾烈を極め、このような組織の全てがそうであるように その資産は消耗品だと言わざるを得ない。 人材の確保についてはその過程に不明瞭な点が多く、そこが組織の持つ空気に異様な色を与える要素の一つとなっている。 1支部につきEXECUTORは4〜6名程で、比率的にそれの10〜12倍程の人間を加え構成されているらしい。 年に二度各支部の代表以下数名が集う会合を催し、運営方針に関し協議する。 表向きには人に害を成す(あるいはその恐れのある不明瞭な)遺物の調査・解体・それらが完了するまでの一時的な封印管理を行う団体。 雇用主は警察組織や軍隊といった国家組織が主である。要はそういった組織の範疇外の仕事が回ってくる訳だが… こういった国家への助力は初期から行われており、多くの意義は活動しやすい土壌を得るが為である。 地域によるが、力を揮える機会は基本的にはかなり制限されており、ほぼ(遺物絡み専門の)民間の警備組織のような扱いである。 その為、制限が非常に小さい案件ではその性質の異常性が際立ち、それに伴う風評が内部の「自称良識派」にとって頭痛の種となる事も少なくない。 業務に伴ない開発された技術の一部フィードバック、及びそれを用いた製品でも利益を得ており、その分野は多岐に渡る。 このような商業的な面が特に濃い極東支部においては開発部署の一部を半官出資で企業化している。 その様子や成果を指して「採掘屋」「リサイクル業」「ハイエナ」「レトロモダン」「洗練されたスクラップ」等と内外問わず揶揄される。 現状、活動資金の多くを極東支部に頼っている故に他支部も(苦々しい処は否めないものの)認めざるを得ないようだ。 備品として英霊を多く保持しているが、そのうち幾つかは嘗てGRAVEYARDに所属していたEXECUTORの面影である。 一部は外部に流出してしまい消息は不明。
PRAYER… 祈り手、もしくは行為そのものと化した存在を指すらしい。 人を辞めた存在と呼ばれているが、その詳細については不明瞭な点が多い。 かつてのGRAVEYARDに属していたもの(一部の派閥に属するもの)達と何らかの関係があったようだ。
CARDINALSHAFT… 現状においてPRAYERが根城としている巨大建造物で、現在「楽園」と呼ばれる人工島に聳え立つ。 遺物となった都市管理級、もしくはそれ以上の広域中枢制御搭らしいという事が解っている。 過去に引き起こされた大規模な事故「大決壊」により地域が分断され、永らく世界と隔絶された数世紀前の時期に建造されたようだが それらしい建立記録は残されていない為、その庇護下にあった系譜が復興した世界に継がれているかは不明。
MISTELTOE… 「宿り木」。 形状とその役割から そう呼ばれる。 武装等に使うエネルギーを引き出す為の触媒となる 「微かな生物」の鉢植え(プラント/コロニー)である。 制御用に人に似たユニットが植えつけられており、 これにより エグゼキュータとの柔軟な同期連携・多角攻撃が可能となる。 自機のショットと呼ばれるものはエネルギー飽和状態の「微かな生物」コロニー。制御ユニットの下でのみ 増殖や休眠後の再活動が可能である。 元はPRAYERの前身であった人々の技であり、今回の案件とは因縁浅からぬ技術らしいが…
AMMO… 旧世代の武器。実弾。刀剣。 「微かな生物」の行動を抑制し休眠に追いこむ事が主眼のサプレッションレディアスでは抑制不可能であり、 高コストながら有効な対抗手段として未だに一部では現役である。 巨大な機械式の打撃武器(炸薬の圧力で突く火薬式ランスやバズソーの化け物のような形状の回転刃など)、といった冗談のような兵器も少なからず存在する。
英霊… 過去に編み出され、伝承されるべき優れた技や英知が 時間経過によって衰退や形骸化といった擦り切れを起こす事を 目の当たりにし先人達がそれを憂い 一般に言う「心技体」を分離し記録する、という技法を確立すべく力を注いだ。 そして、全ての業績を墓標として石に標し遺す事に成功する。 この技術の生成物が「英霊」と呼ばれる。 個々の英霊の判断基準に足りるとみなされた者は、その力量に応じた技を自身に「書きこむ」事が許される。 技能や英知の伝授/継承は再生された英霊自身による試験/儀式によって行われ、 その行為そのものが技を継ぐに足るか否かの篩(スレッショルド)となる。 英霊は第三者から見て性格や感情を感じられるが、それは只記憶に基づいた再現の延長線上のもので 泡の様に湧いて出た幻影に他ならない。 此れは言わば血と肉を以って再生される書物であり、 紐解く者からの干渉は一方的である。 英霊は完全であるが為に、実行時のテンポラリ領域(仮初めの身体)以外に記憶を継ぐ事は無い。ただ読み出しのみが可能である。 英霊は、その場でいくら心を揺り動かされる事があっても、それを記憶に刻み生き続ける事は出来ない。そして、それを自覚している。 全てはただ一時のみの出会いであり、別れは何度でも永久のものである。 英霊は何度でも英霊として浮上し、そして沈んでいく存在なのだ。
決別の霊廟… 継承されるべきではないとされた技/業を持った英霊や人が持て余した物達が眠る、実在と非実在の狭間の巨大墓所群。 沈黙のうちに忘れ去られたもの達の折り重なる場所。がらくた集積所。言葉狩りの墓所。 四次元ポケット、記憶の涯て、忘却の杜、夢の島、千柱の室…など別名、異称多数。 それだけ見るものによって残る印象が(共通の像を持ちつつも)千差万別で、朧であると言う事だろうか。 かつては物理的に実在の場所だったらしいが、今はその影は無く、幽かに存在の痕跡を匂わせる名残が各地に残るのみである。 多量の「幽かな生物」を従えるEXECUTORが持つ持病のような現象として、 飽和した「幽かな生物」の膜を通し、一時的にこの霊廟の一端と繋がってしまう「ブリンク」が挙げられる。 「幽かな生物」が穿つ穴に呑まれたEXECUTORは実時間にして数十秒から数分の間、実在の空間から消失(ブリンク)する。 発生を遅らせる事は出来なくはないし、今では発生を促す要因の幾つかは明らかになっている。 しかし根本的に戦う限り避けられるものではなく、遅かれ早かれ、そして何度も巡ってくる生理現象のようなものと言える。
DEAD-LIAR(デッドライアー):エグゼキュータ 記録上の本名は都邑暁尋(つむらあきひろ)となっているが、その時点での本籍が定かではなく確かなものかは疑問。 現在のGRAVEYARD中、残存したEXECUTORの中でも最古参の者の一人。 能力的には平均的で、「人でなし」としてはさして特筆すべき能力は無い。 従って現在に至るまで一線に留まる事が出来る決定的な理由は見当たらないのだが、ただ幾度とない絶望的な状況の度に生還している。 その為一時は皮肉混じりに、何をやっているか判らない男"BLACK-BOX"と揶揄されていたが、 数を経るうちにそれが畏怖へと変わり、死んでいる事すら嘘をつく(生きている筈が無い)男"DEAD-LIAR"と呼ばれる様になった。 多くの他者よりも深い経験やそれに由来する技術の熟達の所為もあり、既知外未踏域の探索においては常にその名を連ねる。 前回の探索でPRAYERの巣窟中枢近くまで潜入する事に成功するが、帰還は叶わず拘束・幽閉される。 切り離されたミステルトゥの屠針丸のみが冬眠状態の帰巣形態で流れ着き、約6ヶ月の間主の帰還を待つ事になる。 次のEXECUTORによる深部潜入活動の際に乗じ、単身帰還に成功。 DEADLIARが得た巣窟への有効な侵入経路・内部構造の情報(苦しくも脱出時のものが特に有益だった)は再侵入の計画上貴重な資料となった。
屠針丸(とばりまる):ミステルトゥ DEAD-LIAR専用ミステルトゥ。 初期の傑作モデルで、未だその系譜は主流の一つを担う。 ロールアウト後も度重なる調整を受け、最新の形式と比較しても遜色ない性能を誇る。 DEAD-LIARとの延べマウント時間は5万時間を越え、最適化された特性は最早他者を主とは認めないだろう。 しばしば本来の定義とは逆に、DEAD-LIARを自らの庇護下においているかの様な言動を見せるが、 最早文字通り抜き差しなら無い依存関係にあるので 強ち間違っているとは言えない。 現在のパーソナリティは基本的に皮肉屋で、度々辛辣な形で表面に出す。 これはDEAD-LIARの影響が大きいようだが 彼のそれは淡白で薄いジョークの色が濃いのに対し、屠針は刺々しく粘着気味な傾向がある。
FOSSIL-MAIDEN(フォッスィルメイデン):エグゼキュータ 本名不詳。当時は橙色の光を放つ目をしており、その異様な風貌からアンバーと呼ばれていたようだ。 物心ついた時には既に、10数層からなる階層都市の最下層に居た。 汚染された灰塵の舞う場所で育った所為か幼少の時より五感(特に視覚)に乏しく、その世界は常にくぐもった灰色であった。 体温の調節も上手くいかず、いつの日も大きな灰色の外套に小さな身体を納めていた。 何も変わらない筈のある日。 雨の中虚ろな眼差しで、事実とそう変わらない灰色の空を眺める彼女に 救いの手を差し伸べようとする者が現れる。 「本当に?」そう疑いの言葉を発しながらも、彼女はその手に縋った。 感覚は無いが暖かいと信じたかった。 ミステルトゥとのより深い依存と共生関係。 別の生き物を半ば生めこまれる形で、彼女は全てを得た。 歓喜! 身を覆う予防衣の肌触り、消毒薬のどこかすえた匂い、静寂の中響く金属同士が擦れ合う音、そして蛍光灯の青ざめた眩しさ。 ミステルトゥを通し、眼前に映る全ては新しい世界。古ぼけた灰色の世界を完全に彼方に追いやる、彼女にとっての真実であった。 ――それが人を遥かに越えるものであって、彼女の求めた世界との隔たりは何ら変わっていない事になど気づく筈も無く―― 日照下での自由は許されていたものの、実際はミステルトゥとの共生による人体への影響を見極める実験台であった。 それでも彼女は歓喜の中に居た。 彼女自身からEXECUTORとなる旨の言葉が発せられるのに、そう時間は要らない程に。 強烈で対照的な原体験のせいか、何故か自分が(特殊な経緯の)普通の人間であるという思いこみがあり、 如何に苛烈な状況下に置かれようとも「自分が出来るのだから当たり前の事だ」とばかりに、ごく自然に受け入れてしまう。 故に周囲の者も扱いに困る。彼女にとって彼らは羨望の対象で有る為、彼女なりに周囲を困らせない様に努力し気を遣うのだが、 皮肉にもその噛み合わなさが救いがたい決定的な溝を成している。 だが、それこそが彼女が苦も無く絶大な力を発揮できる理由なのだろう。
更羽丸(さらばまる):ミステルトゥ GRAVEYARDによるミステルトゥと人との共生モデルに関する実験に用いられた。 だが他のミステルトゥと特別な差異は無く、実験の結果も本来望まれていたものではない。 実験自体の目的はせいぜい感覚器補完能力の有用性や代謝系の促進効果を調査し、 医療技術への転用の指針を得る程度のものに過ぎなかった。 ミステルトゥと強く結合した形態という特異なケースの処遇に苦慮したが、結果的に本人からの思わぬ提案を飲む形となった。 性格は温和で明るいという ミステルトゥとしては珍しい傾向にある。 ケースがケースだけに本体の影響が濃いと思われるが、原因は定かではない。
蓑亀(みのがめ):エグゼキュータ 或る宗教組織の手によって製造された即身仏。名はその時のもの(死を退ける者の象徴らしい) 彼等の呼ぶ即身仏とは、血と肉によって構成される生粋の機械であり、旧い呼び方をすれば人造人間である。 宗派を問わず、本尊としてこういった「人ではない人、人を超えた人」の製造を行おうとする例は後を絶たない。 およそ死とは遠い存在であり、呼吸するかのようにSOL/LUNAを自在に操り顕現化させる。 DEADLIARらによって組織を壊滅させた際GRAVEYARDに接収され、その後能力を限定されEXECUTORとなる。 性別は両性として作られているが、幼生を取っており外見で見分ける事はできない。便宜上男性として扱われる。 ミステルトゥのマウントは適性があり可能であったが、蓑亀がその力を発揮する際 ミステルトゥに苛烈な負担が強いられる為、現状では未実装。 また、かつて赫螺丸を全損寸前まで追いこんだ事に対する負い目か、現在の所本人は実装を拒否している。 出自故か、その言動は「作った」感じのする大仰なものだが、語る内容は直接的である。 その力も荘厳なイメージとは裏腹に、荒々しく振り回される事も少なくはない。
赫螺丸(かぐらまる):ミステルトゥ 現行のミステルトゥ開発の黎明期に 単体としての極限の性能を求めて開発されたミステルトゥだったが 結果としてEXECUTOR側に要求するレギュレーションが余りにもシビアなものとなった為 事実上実験専用のモデルになる。 #DEADLIARを含め当時のEXECUTOR全てが匙を投げた 蓑亀へのマウント稼働試験中に過大フィードバックにより神経を灼き切られてしまう。 #ミステルトゥの神経系は条件付きで逆方向に遡行可能 より入出力系統の単純なエルダーミステルトゥをベースにした専用フレーム(ハードエンクロージャ)に移植される事によって命永らえた。 しかし旧型故の大型で機械然としたフォルムの所為もあり、見る物に畏怖を感じさせる。 (事実エルダーミステルはほぼ機械であり 単なる補助兵装のようなものであったが) 負担を減らすため言語での会話能力・EXECUTORとのリンク能力は無く、行動そのものでの意思表示が主要なコミュニケーション手段。 ミステルトゥ同士のリンク(共感能力)は閉鎖されていないが、元来無口であるため使われることは少ない。 #一応筆記等も可能だが、機械式のエルダーミステルトゥには精巧なマニピュレータが実装されていない為 #(左右のランス状バレルアームのみ)、絶望的に非効率である 流石に再起動直後には精神状態が不安定であったが、現在は慣れの所為か常時平静。 現状において単騎で出撃する唯一のミステルトゥである。
フォニーカイト EXEXCUTORの行動を支える飛行デバイス/技能。 「幽かな生物」を応用した嵩と推進力により抵抗の少ない高速飛行が可能となる。 半永久的、かつ自在な飛行能力を有するにも関わらず、目に見える仕掛けが無い事から「まやかしの凧」と呼ばれる。 彼らにとっては体の一部と呼んでいい程ありふれた装備/技であり、意識されることはない。
ブートレグゴースト 英霊の持つ、俗に言う「技」を分離して再現し、防御等の限定した目的に使用できるプレート状や円盤、タグ状の装備。 その形状と役割から通称「護符」と呼ばれる。 記憶域となる媒体が必要で、それに適したものは何種類か存在し 無機的、電子的なものからスライスされた小動物の脳組織を積層したものなど様々。 大概は共通して、時計や記録・測定計器類、単純なナビゲーションなどの諸機能を内包している。 軽量で装備の制限が少なく、効果も有用なものであるが ある程度の実力に達すると弊害の方が重く見え始めるため、 最終的にそういった護符を身に着けないEXECUTORも多い。 また、同じ条件で効果が現れるものが多く、その際はお互いの機能が干渉し合い、本来の効果を表さないため 個人での複数所持はほぼ無意味というのが実情である。 何も特殊な効果の無いASPIRANTという護符があるが、語源は諸説あり 同業者中で護符を持たない者の事をASPIRANTと俗称する事が転じた、 まだ志のある者(≒英霊のような死者ではない、その技に頼らない)という意味など。 洒落として後付けで作られた飾りだけの(或いは個人的な願掛けの)護符のようだ。
リニアブレード 磁力運動素子による高速抜刀機構を持つ剣。 刃にはミステルトゥ基部ポッドと同等の材質を用い、衝撃に対し頗る強靭でありAMMOとしての性能も充分。 表面には常に高密度の「微かな生物」層を帯びる。 ハンマリングによる推進力を生み出す為の電力を蓄積・高圧化するのには若干の時間を必要とするが、 一旦抜けば高速抜刀の軌跡に沿って「微かな生物」が薄い帯を形成し、それが刃となり 目標に致命的な損傷を与える。 十分な充填がなされていれば、間合いを無視した(実際はごく近距離に死角が存在するが)攻撃が可能。 打撃そのものより「微かな生物」により生じる二次効果が本懐となる作りの為、彼等の間では「風切り笛」とも異称される。 DEADLIARはこの武装の扱いを得意とする者の一人であり、両腕にそれぞれ一振りづつ装着している。 特にその「二振りの放つ波動の位相が重なる焦点で的を捉える」という技法は偏執めいており、語り草である。
KOB(ノウズオンリィブレイジング) ハードエンクロージャに着脱可能な外部武装パッケージ。 統一された規格を取り入れた柔軟なパーツの取り回しや複雑な構成の装備の一元的な集中制御が構想にあり 目標に到達するべく試験実装を繰り返す。 各パッケージの武装は旧世代の建造物を模倣しているが、試験実装故にコンセプチュアルでチューンが極端なきらいがあり それぞれ先鋭/専門化した性能を持つ。